ライブ配信の相場・見積もりの見分け方

ライブ配信ってどれぐらいの金額がかかる?

今やライブ配信を手掛ける業者さんは沢山あります。
同じイベント内容でも、複数の業者から見積もりを取ってみると、その金額はマチマチ。

といった疑問の声が多く聞かれます。
このページではそんな疑問を解決すべく、ライブ配信の見積もり、金額についてわかりやすく解説いたします。

ビジネスイベントライブ配信イメージ

その項目、なんのコスト?

ライブ配信の見積もりは、業者さんそれぞれで書き方は異なりますが、大きく分けて計上されるのは、以下の3種類。

  1. ①機材費:カメラ、スイッチャー、オーディオミキサー、マイク、配信コンバーターなど
  2. ②人件費:ディレクター、カメラマン、スイッチャー、音声マン、アシスタントなど
  3. ③その他:制作費(台本・テロップなど)、スタジオ費など

これらの費用が必ずかかるのかというと・・・そんなことはありません。
どれも「必要だったらかかる」ということです。

そして、どの項目が「なんのコストか?」を理解することが、見積もりを紐解く第一歩。
以下のシミュレーションにより、まずは見積もりの理解を深めていきましょう。

見積もりシミュレーション

以下のライブ配信を行う前提で、2社の見積もりを比較してみましょう。

イベント概要
毎年行っていた会社説明会をオンライン化。
会場
社内会議室
視聴対象
事前申し込みした求職者
視聴人数
約300名
進行(内容)
会社紹介映像(既存)
人事担当の挨拶
業務の説明(先輩社員)
募集要項の説明
質疑応答(視聴者との双方向通信)
ネット回線
会場の有線回線を使用可能

A社、B社に対し、上記の内容を伝えたうえで見積もりを依頼。
提示してもらった見積もりを、項目ごとに比較できるように並べ替えたものが以下の表です。

お見積もり金額 比較表

A社 B社
機材費
①カメラ ¥20,000(1台) ¥50,000(2台)
②スイッチャー ¥15,000(1台) ¥40,000(2台)
③オーディオミキサー ¥30,000(1台)
④マイク ¥3,000(1本) ¥9,000(3本)
⑤HDモニター ¥5,000(1台) ¥18,000(3台)
⑥ノートPC ¥8,000(2台) ¥15,000(3台)
⑦配信エンコーダー ¥10,000(1台) ¥12,000(1台)
⑧機材運搬・撤去 ¥30,000
人件費
⑨ディレクター ¥80,000(1名) ¥100,000(1名)
⑩カメラマン ¥40,000(1名) ¥40,000(1名)
⑪スイッチャー ¥40,000(1名) ¥40,000(1名)
⑫音声マン ¥40,000(1名)
⑬PCオペレーター ¥40,000(1名)
⑭アシスタント ¥30,000(1名)
その他・事前準備など
⑮企画・中継システム設計費 ¥50,000 ¥100,000
⑯進行台本作成費 ¥120,000
⑰タイトル画面・テロップ類作成 ¥10,000 ¥50,000
⑱配信プラットフォーム利用費 ¥150,000 ¥22,000
合計(税別) ¥431,000 ¥786,000

※「―」と記載のところは項目として無しです。

多少極端な例ですが、2社から上記のような見積もりが届きました。
これをもとに、それぞれの見積もりを検証してみましょう。

検証

上記のお見積もりを見て、¥355,000もの差があります。
また、同一項目の単価もA社に比べて、B社のほうが若干高額なようです。

果たして見た目のとおり、「A社は安くて良心的」で、「B社は相場より高く不親切」と捉えて良いのでしょうか?

答えは「いいえ」。
おそらく両社ともに、高くも安くもなく、相場を適切に反映した見積もりだと思います。

それでは、なぜここまでの差が出てくるのでしょうか?
その謎を解くポイントは2つです。


ポイント1:想定の違い

まず、ここまで機材の数量や人員の数が違うのは、両社ともに要件では把握できない部分を「想定」で出しているからです。

お客様と業者のファーストコンタクトで、要件の細部までを100%伝えることは困難です。
本当にその項目が必要なのか?あるいは必要ではないのか?は、お客様と綿密な打ち合わせをしないと判断ができないため、見積もり段階ではある程度「想定」して出す場合が多いのです。

例えば、①カメラの台数。
これは極端な話、1台でも2台でもどちらでも配信はできます。
ただし、B社は登壇者以外への切り替え時に、別のカメラの映像(例えば全景)を挟むことを想定し、合計2台準備するべきと判断した、考えられます。
もちろんこの場合、配信の品質はB社のほうが良くなります。

同様に、②スイッチャー、④マイク、⑤モニターなどにおいても、A社に比べてB社の数は多く、また、人員に関しても⑫音声マン、⑬オペレーターなども多く計上されています。

とはいえ、B社は決して必要のないものを押し付けているわけではありません。
イベントの「実施規模」「品質」「安全面」を大き目に想定して、お見積もりを出したのだろうと考えられます。

このように「想定」が大がかりであればあるほど、自ずと見積もり金額も高くなっていきます。

どの程度の品質・安全が必要かを最終的に判断するのはお客様だと思いますので、配信業者さんとの打ち合わせで、添削すれば自ずと見積もり額も変わってくるはずです。

ポイント2:利益を出す項目の違い

これはどういうことかと言いますと・・・
企業活動をするうえで、利益を考えるのはごく当然のことです。
どの配信業者も利益を想定して見積もりを出しているはずです。

ただ、見積もり項目が多岐にわたる場合「どの項目に利益の重点を置くのか」、それは会社により千差万別であると言えます。

A社の見積もりを見ると、個数を除いた「単価」においても、B社よりも安価に感じると思います。

ここで注目すべきは、一番最後の「⑱配信システム利用料」。A社は¥150,000なのに対し、B社は¥20,000です。
どういうことでしょうか?

A社は自社のサーバーで、独自の配信システムを持っていて、それを貸し出しする費用、と考えられます。
一方、B社はZoomWebinarなどの安価な汎用プラットフォームを使用して配信すると考えられます。

つまり、見積もりの傾向として、以下と見受けられます。

上記の点が大きな違いです。

どちらが良い悪い、ということではなく、どの項目で利益を出しているか把握することは、見積もりを見分けるうえで、重要であるということです。


さて、上記2点のポイント、A社とB社の「想定の違い」「利益を出す項目の違い」を考慮したうえで、見積もりを比較すると、見えにくかった部分も見えてきます。

例えば・・・

A社は「こんなに安くて大丈夫なのか?」と思っていたものの、独自開発のシステムを利用するということで、セキュリティ面や、回線の安全性が確保できるということも考えられます。

また、見た目では「高い」と感じられるB社も、打ち合わせを重ねて、「これはいらない」と削っていけば、逆にA社よりも安価になる、ということもありうる、というわけです。

ぜひ、皆さまのお見積もり検討にお役立て頂ければと思います。

まとめ

ライブ配信の見積もりを見るときは各社それぞれの「想定の違い」と「どの項目で利益を出しているのか」に注目する。

見積もりを取るうえでのアドバイス

見積もりを比較する場合は、細かな条件まで伝え、 両社の想定の差異を無くしたうえで、金額を比較するとより正確な比較ができます。

業者選定時のアドバイス

大切なのは、この項目は何なのか、ここを削ったらどうなるのか、をお客様側に理解して頂き、無駄をなくすこと。そういったことを丁寧に説明してくれる業者さんを選んだほうが良いように思います。

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